ImmersionRC rapidFIREの運用

2020年11月12日木曜日

FPVドローン

t f B! P L

ImmersionRC rapidFIREってなに?

ドローンから出るVTXを受信するための装置で、FPVゴーグルに装着するものです。
FatsharkのゴーグルやORQA FPV.Oneに適合し、私はDominator HDO2に装着しています。

rapidFIREにつけるアンテナ

rapidFIREには別途アンテナを付ける必要があります。アンテナ装着用の端子は2つあり両方に装着します。アンテナには全方位のキノコ型アンテナと、指向性のあるパッチアンテナの2種類あり、それぞれを1つずつ装着するのが一般的です。rapidFIREのアンテナ用端子はSMAという形状になり、RP-SMAは装着出来ません。
なお、VTXを送信するドローンに装着するアンテナと、VTXを受信するrapidFIREに装着するアンテナはRHCP(右回り)とLHCP(左回り)のどちらか同じものをつけてください。私の場合キノコ型アンテナはLumenier AXII 2 MMCX 5.8GHz Antenna (RHCP)、パッチアンテナはLumenier Double AXII 2 Long Range 5.8GHz Antenna (RHCP)をつけているのでドローン側のアンテナもRHCPにする必要があります。

国内でVTXを利用するには

非業務目的で、アマチュア無線4級以上の免許を所持している人間が、無線局の開局をしてはじめて利用できる無線周波数帯となります。Wi-Fiの一部規格(IEEE 802.11a、n、ac)も5.8GHz帯を利用しますが、日本国内で販売されているものは、製品ごとに技適をとっているので、免許がなくても利用出来ます。FPVドローンで使われているVTXは技適が基本的にないため、5.8GHz帯を利用するために免許と無線局開局が必要になっています。なお、業務目的だとアマチュア無線ではNGで、陸特3級以上が必要です。
総務省 ドローン等に用いられる無線設備について
総務省 アマチュア無線によるFPVドローン利用時の注意事項

日本国内で画像伝送可能なアマチュア無線のバンド帯

  • 5690~5725MHz
  • 5730~5755MHz
  • 5757~5760MHz
  • 5762~5765MHz
  • 5770~5810MHz

FPVで利用される周波数

たくさんの周波数があるが、日本国内では周波数は5705(E1)、5740(F1)、5800(F4)が主に利用されており、これは日本国内で画像伝送可能なアマチュア無線のバンド帯の中から干渉しないよう35MHz程度空けているため。そのため、3つまでしか同時運用は出来ない。なお、同じBandのチャネルは一定の間隔の周波数(18MHz/19MHz/20MHz/23MHz/37MHz/40MHz)で設定されている。

バンド一覧

  • Band-A
    • Team BlackSheep(TBS)、RangeVideo、SpyHawk、FlyCamOne USA
  • Band-B
    • FlyCamOne Europe
  • Band-C(R)
    • レースバンド
  • Band-E
    • HobbyKing、Foxtech
  • Band-F
    • ImmersionRC、Iftron
  • Band-D
    • Diatone
  • Band-L
    • ローバンド
  • Band-H
    • ハイバンド

周波数(MHz)の表

緑色が国内で画像伝送可能なアマチュア無線の周波数です。緑太字が最もスタンダードなものです。

Band CH1 CH2 CH3 CH4 CH5 CH6 CH7 CH8
Band-A 5865 5845 5825 5805 5785 5765 5745 5725
Band-B 5733 5752 5771 5790 5809 5828 5847 5866
Band-C(R) 5658 5695 5732 5769 5806 5843 5880 5917
Band-E 5705 5685 5665 5645 5885 5905 5925 5945
Band-F 5740 5760 5780 5800 5820 5840 5860 5880
Band-D 5362 5399 5436 5473 5510 5547 5584 5621
Band-U 5325 5348 5366 5384 5402 5420 5438 5456
Band-O 5474 5492 5510 5528 5546 5564 5582 5600
Band-L 5333 5373 5413 5453 5493 5533 5573 5613
Band-H 5653 5693 5733 5773 5813 5853 5893 5933

Firmwareについて

rapidFIREは機能追加や不具合修正を目的として頻繁にアップデートされています。
必要に応じてCHANGE LOGを確認し、アップデートを検討しても良いかと思います。CHANGE LOGはhttps://www.immersionrc.com/fpv-products/rapidfire/ のページ下部からFirmware/Downloadsを確認してください。
なお、2020-11-09時点の最新版は以下の通りでした。

  • rapidFIRE Updater v0.1.4
  • Firmware v1.3.2

Firmwareバージョン確認手順

自分のrapidFIREのFirmwareバージョンの確認方法について記載します。

  1. rapidFIREを装着したFPVゴーグルの電源を入れる。
  2. ジョイスティックを押してメニュー画面に移動する。
  3. ジョイスティックで右に操作していき1番右のメニューまで移動する。
  4. Statusという項目にあるAboutが出てきたらジョイスティックを押す。
  5. ここでバージョンの確認が可能です。
  6. 画像はFirmware v1.3.2のものです。Brainという項目のバージョンと合致するようです。rapidFIREの項目もアップデートされる時があります。

Firmwareアップデート手順

  1. 最新のrapidFIRE Updaterをダウンロードする。
    https://www.immersionrc.com/fpv-products/rapidfire/
  2. rapidFIRE Updaterを起動する。
  3. rapidFIREのジョイスティックを押しながらPCとrapidFIREをUSBケーブルで接続し、ファームウェア更新モードで起動。
  4. rapidFIRE Updaterで更新したいFirmwareバージョンを選択し、Flash Firmwareをクリックする。
  5. Firmware更新が完了するまで1分程度待つ。

キャリブレーションについて

Firmwareのバージョンアップ後、長期間利用している場合などには必要なようです。

キャリブレーション手順

  1. 25mWのVTX出力のドローンを用意する。例えば、Mobula 6のVTXはデフォルトだと25mWです。
  2. rapidFIREのチャネルをドローンのVTXのチャネルにあわせる。
  3. 25mWのVTX出力のドローンを起動し、RSSIが70%~80%になる位置に置く。おおよそ3m程度。RSSI強度を確認する必要がある事から、プロポもrapidFIREと同じ場所起動しておきrapidFIREと同じ場所に置いておく。
  4. ドローンをオフにする。
  5. プロポをオフにする。
  6. スマートフォンを機内モードにする。
  7. Wi-Fiルータを切る。
  8. rapidFIREのアンテナを2つとも取り外す。
  9. rapidFIREのジョイスティックを操作し、ToolsにあるCalibrationを実行してキャリブレーションの初期化を開始する。
  10. キャリブレーションの初期化が完了したら、全方位アンテナと指向性アンテナを2つとも付け、指向性アンテナをドローンの方に向ける。
  11. 25mWのVTX出力のドローンを起動する。
  12. ジョイスティックを押して、キャリブレーションをしながら軽くゴーグルを動かす。

キャリブレーション時のポイント

  • Wi-Fi、Bluetoothなどの無線デバイスからの干渉が多いと信号に影響を与えるので干渉のない所でキャリブレーションするのが好ましい。
  • VTX に近すぎるのも駄目。RSSIが70%~80%を目安とする。
  • VTXから離れすぎているのも駄目。RSSI 50%以下は離れすぎ。
  • 飛ばそうとしている周波数に合わせて校正するのが良い。
  • VTXの出力は25mW程度が好ましい。

各種機能や設定について

  • Channel Lock
    • Off、On
    • 周波数を誤って操作しないようロックする。ジョイスティックに触れるとすぐに変わるのでOnにした方が良い。
  • Tools
    • Spec-An(Spectrum Analyzer)、Band Scan(Band Scanner)、Favorites、Model Locat(Model Location)、Calibration
    • Spectrum Analyzerはバンドごとに受信状況がチャネルごとに確認出来る。Band Scannerはバンドごとに利用されているチャネルを確認出来る、FavoritesはBand-Xに好きな周波数を割り当て出来るもので、プリセットでRaceband(R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8)、IMD6(E4,E2,I2,I4,I7,E6,5500,5500)、IMD6c(R1,R2,I2,I4,R7,R8,5500,5500)から選択も出来る。Model Locationは音で電波の強度を確認出来る。
  • RF Mode
    • rapidFIRE#1、rapidFIRE#2、Legacy
    • 現在売られているほとんどのOSD機能付きカメラならrapidFIRE#1で良い。それ以外は互換性のために残っているもの。
  • Antenna
    • Both,Lower Only,Upper Only、Both Off
    • 何かしらの理由で、アンテナを無効化したり片方だけ使う場合に設定する。普通はBothで2つのアンテナを使うのが良い。
  • OSD
    • RSSI、PAL/NTSC、RSSI Lite、Long Range、Identify
  • OSD Postion(OSD Position)
    • Safe、Top(HD0)、Top(HD2)、ORQA、Top(HDO2)
    • OSDテキストの位置をゴーグルの製品ごとに上端に合わせてくれる。
  • Audio
    • Off、On
    • マイクやテレメトリーがない場合は無効にするとゴーグルのバッテリー節約にもなるし、録画画面のノイズ対策にもなる。
  • Status
    • About
    • Firmwareのバージョン情報やバッテリー電圧を確認出来る。

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